読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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読んだ本の感想をまとめています。
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#301 西澤保彦『聯愁殺』

聯愁殺
著 者:西澤保彦
出版社:中公文庫
発行日:2010年09月28日



内容(Bookデータベースより引用):
大晦日の夜。連続無差別殺人事件の唯一の生存者、梢絵を囲んで推理集団“恋謎会”の面々が集まった。四年前、彼女はなぜ襲われたのか。犯人は今どこにいるのか。ミステリ作家や元刑事などのメンバーが、さまざまな推理を繰り広げるが…。ロジックの名手がつきつける衝撃の本格ミステリ、初の文庫化。


所感:
なんやかんや言って、著者のファンなんだろうな、わたしは。
書店で新しい文庫を見かけるとついつい手に取ってしまう。
「聯愁殺」だなんて、嫌な予感がしながらも。


「聯愁殺」
「れんしゅうさつ」
「練習…殺??」


嫌な予感というものは案外当たったりする。
あまり詳しくは書けないけれど、勘のいい人ならば
これだけでも分かってしまうかもしれない。


作品の舞台は推理集団「恋謎会」の集い。
『毒入りチョコレート事件』の「犯罪研究会」を連想させる
舞台設定に、心が躍る。

四年前に発生した連続無差別殺人事件。
その唯一の生き残りである梢絵を招いて大晦日に開かれた「恋謎会」。
梢絵は恐怖心を抱きながらも、この会へのゲスト参加を決意した。
なぜ自分が襲われなければならなかったのか、
そして未だ未逮捕の犯人はどこにいるのか、
それを知りたい一心で…。


無差別殺人事件に万に一つの確率で巻き込まれてしまったら…。
そしてさらに万一の確率で生き残ることができたら…。

その被害者の心にはおそらく、
「なぜ自分が?」という思いが強く芽生えるのではないだろうか。

本書の「恋謎会」で取り扱われる事件の「主役」である梢絵も
そう強く感じたひとり。

しかしあの事件の真相は意外なものであった…。


うん。
意外、だよね。

でも。
西澤さんならやりそう、だよね。


何をどう言えばネタばれにならないのか難しい。

とりあえず…。
登場人物たちの苗字が複雑で読み辛いことだけは確か。
一礼比、双侶、凡河、矢集、丁部、泉館、修多羅。
いちろい、なるとも、おつかわ、やつめ、よぼろべ、いずみだて、しゅたら。
簡単に読めるのはふたりしかいなかった。





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2014年12月06日| コメント:0トラックバック:0Edit

#300 東野圭吾『赤い指』

赤い指
著者:東野圭吾
出版社:講談社文庫
初 版:2009年08月12日



内容(裏表紙より引用):
少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。


所 感:
しっかしまぁ…なんとも胸くその悪くなる内容だな。
(お下品な表現、失礼!)

これは決して、駄作だと言っているのではない。
一気読みするほどぐいぐい引き込まれるストーリーだし、
社会問題を取り入れた社会派ミステリと言ってもいいかもしれない。

わたしが「胸くそ悪い」と言ったのは作品に登場するある家族について。

ある日、その家族の庭で
小学校低学年くらいの女の子の遺体が放置されていた。
第一発見者は母。
彼女がそこでまずとった行動は
その遺体が人目につかぬよう、ビニルで覆うこと。
そして夫に連絡。

急いで帰宅した夫は息子の犯行だと悟る。
息子を問いつめようとするも妻に
「あの子は傷ついているの、動転しているの」と止められれば、
それ以上の行動を取れない。

妻は妻で、いつも息子のご機嫌ばかり伺って、
作るメニューはいつも決まって息子の好きなハンバーグのみ。

同居している姑には姑が認知症を患ったことをいいことに、
無関心で一切の関与を拒む。
夫は夫で、そんな妻を嗜めようともせず、
いつも現実から目をそむけてばかり。

そんな二人の間に育った息子は
人とのコミュニケーションが上手くとれず、
うまく行かないのは親のせいだと言い放つ。
なんて嫌な家族なんだろう。

そんな家族の元に突然舞い降りた女児の遺体。
両親は「息子の将来を守るため」だと言って、
その遺体を遺棄することを決める。

それだけでも十分腹立たしいのだが、
聞き込みにきた刑事も適当にあしらうが
プロの目がごまかせないと悟ると、
夫婦はもっと恐ろしい計画を実行に移してしまう。

ここでいう「恐ろしさ」とは、
人が決して超えてはならぬ一線を超える恐ろしさ、だ。

詳しく書くとネタばれになるのでこれ以上かかないが、
勘のいいひとならこれだけの情報ですぐにぴんとくるだろう。
実際わたしはある一文を読んで、ぴんときた。
その「ぴん」が確信に変わるのは随分後になってからのことだけれど。

事件を担当するのは我らがヒーロー(?)加賀刑事。
今回は従弟・松宮とコンビを組む。

実は加賀の父がちょうど癌の末期で入院中で、
加賀自身は一度も見舞いに行っていない。
松宮はそのことが腹立たしく、
また、加賀の言動がいちいち癇に障るらしく、
たまに「ちっちゃい男」的な言動をとる。

しかし加賀は一向に意に介さない。
加賀が死期の迫った父を見舞わなかった理由は
ラストで明かされるのだが、
その理由がなんとも、加賀親子らしい。
松宮のわだかまりも一気に氷解する。

松宮は加賀とコンビを組むことで、
刑事・加賀の優しさ、強さ、観察力、洞察力、推理力などを
身を持って体感する。

そして、犯人のおおよその目星がついた中での加賀の言葉
「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によってあかされなければならない。」
の意味するところを知り、松永は刑事としてひとつ成長する。

最終的にはラストで読者の心は多少救われるのだけれど、
やはり「胸くそ悪い」と思ってしまう。
そしてそれと同時に、「こういう風にはならないぞ!」と心の中で決意する。

加賀刑事シリーズは
こういった人間のエゴイスティックな面を全面に出してくるから
いらいらすることも多いけれど、
考えさせられることも同じくらい多い。
大好きなシリーズだ。






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2014年12月05日| コメント:0トラックバック:0Edit

#299 東野圭吾『探偵倶楽部』

探偵倶楽部
著  者: 東野圭吾
出版社: 角川文庫
初  版: 2005年10月25日



内容(BOOKデータベースより引用):
「お母さん、殺されたのよ」-学校から帰ってきた美幸は、家で母が殺害されたことを知らされる。警察は第一発見者である父を疑うが、彼には確かなアリバイがあった。しかしその言動に不審を抱いた美幸は、VIP専用の調査機関“探偵倶楽部”に調査を依頼する。探偵の捜査の結果、明らかになった意外な真相とは?冷静かつ迅速。会員制調査機関“探偵倶楽部”が難事件を鮮やかに解決。


所感:
東野圭吾の作品は人気がある。

が、私はそれほど東野作品が得意ではない。
とはいえ苦手というほどでもない。

昔の作品と最近の作品を比べてみるとずいぶん作風が変わっている。
最近はどちらかというと社会派ミステリだろうか。

昔の作品にはギャグ満載のミステリなんかもあり、
最近の作風が好きな読者には
ケチョンケチョンに言われたりすることもあるようで、笑える。

作風の変化を作家の成長と見るか劣化と捉えるかは
読む人次第だろうか。
どちらにしても「変わった」の一言で済むのだけれど。


さて本書。
私がこれまでに読んだ東野作品の中で
最も意味が分からなかった作品である。


なんとも言えない。
何かが足りない。


もっと行間にこういろいろと
散りばめられるストーリーがあってもいいのではないだろうか。


いやいや、謎解きがメインに違いない!
と思っても
謎解きもどこか奥行がない。

なのにどこかクドイ感じも否めない。

どこか薄っぺらい。

好みの問題なんだろうか。
 

収録されている短編の各ストーリーはミステリ面だけではなく、
家族や男や女、そして人間や本性を
描こうとしているようにもなっている。

それだけに少し悲しいようなせつないようなエッセンスが加えられている。
しかしその「エッセンス」が薄べったく感じられてしまう。



思い返してみてもあまり良い印象が浮かばない作品である。



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2014年12月04日| コメント:0トラックバック:0Edit


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