読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

読んだ本の感想をまとめています。
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#295 貴志祐介『硝子のハンマー』

硝子のハンマー
著 者:貴志祐介
出版社:角川文庫
発行日:2008年10月25日



内容(BOOKデータベースより引用):
日曜日の昼下がり、株式上場を間近に控えた介護サービス会社で、社長の撲殺死体が発見された。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、窓には強化ガラス。オフィスは厳重なセキュリティを誇っていた。監視カメラには誰も映っておらず、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が逮捕されて・・・・・・。弁護士・青砥純子と防犯コンサルタント・榎本径のコンビが、難攻不落の密室の謎に挑む。日本推理作家協会賞受賞作。


所感:
久々の貴志作品。
前に読んだのは『黒い家』だから、10年ぶりくらいかな。
ホラーのイメージが強くて(しかも恐ろしくて)
随分、間が空いてしまった。


監視カメラや防弾ガラスに囲まれた社長室で、
日曜の昼間、会社社長が撲殺された。
容疑者として逮捕されたのは隣室で仮眠をとっていた専務。
しかし専務は容疑を否定。
弁護を依頼された弁護士の青砥純子は、
知人の伝手で防犯コンサルタントの榎本径に協力を求める…。


事件現場は隙のない完全密室。
最終的に真相が暴かれ
事件は解決するので
密室トリックは崩れるのだけれど…
このトリックが圧巻。
というか、よく思いついたなと感心してしまう。
そしてタイトルの意味も分かってくる。

綿密な下調べとよく練られた構成。
そして著者の筆力。
貴志祐介だから完成できた作品だと思う。
さすがだ。

本書は二部構成になっていて、
Ⅰ部「見えない殺人者」は青砥と榎本のコンビ視点で、
Ⅱ部「死のコンビネーション」は真犯人視点で
綴られる。

この構成が生きている。

まず事件を検証する青砥と榎本を読み、
時系列を遡り事件の下準備の段階からを
犯人視点で読むことによって、
読者の前に真相が露呈する。

巧いなぁ。

ただ、青砥と榎本コンビは癖があるので
彼らを好きになれなければ
作品が楽しめないかもしれない、とは思う。 





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2014年11月30日| コメント:2トラックバック:0Edit

#294 七尾与史『死亡フラグが立ちました』

死亡フラグが立ちました
著 者:七尾与史
出版社:宝島社文庫
発行日:2010年07月20日



内容(BOOKデータベースより引用):
“「死神」と呼ばれる殺し屋のターゲットになると、24時間以内に偶然の事故によって殺される”。特ダネを追うライター・陣内は、ある組長の死が、実は死神によるものだと聞く。事故として処理された彼の死を追ううちに、陣内は破天荒な天才投資家・本宮や、組長の仇討ちを誓うヤクザとともに、死神の正体に迫っていく。一方で、退官間近の窓際警部と新人刑事もまた、独自に死神を追い始めていた…。第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。


所感:
ハジメマシテの作家さん。

読み終えての第一感は…
「コメディだよね??」
言い換えるならば、ギャグ??


「死神」という名の殺し屋の存在。
その死神を追う人々―記者、刑事などなど―。


群像劇の楽しみは、バラバラに見えたそれぞれのストーリーが
一点に集約されるところにあるのだけれど、
収束の仕方がよろしくない。
ぼやけているというか…。

各ストーリーでキャラの描き分けは出来ているとは思う。
ただ、インパクトが小さいせいか、
別の軸のストーリーとの混在が生じてしまう。
そしてこの混在が混沌を引き起こす。
早い話が、すっきりしていないのだ。

すっきりしないから、
せっかく準備した仕掛けが生きてこない。
なんだかもったいない。

解説によると、本作は応募時、
文庫だと600ページは超える分量だったという。
それを削って削って約350ページまで減らしたらしい。

意地悪なことを言うようだけれど、
もっと削れるところがあるのではないかな。
もっとスリムに。
そしてシンプルに。
そうしたらもっと面白く読めたと思う。

悪くはないのだけれど、次を読みたいとは思わない一冊だった。



【死亡フラグ】
漫画などで登場人物の死を予感させる伏線のこと。
キャラクターがそれらの言動をとることを「死亡フラグが立つ」という。

(BOOKデータベースより引用)

2014年11月29日| コメント:0トラックバック:0Edit

#293 米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』

儚い羊たちの祝宴
著 者:米澤穂信
出版社:新潮文庫
発行日:2010年07月01日



内容(BOOKデータベースより引用):
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。


所感:
米澤さんの黒ミステリ。

といえどもどす黒くはなく仄めかす程度で、
だからこそ丁度よい。
そして心地よい。

本書に収録されている5篇の短編には
ほとんど関連性はない。
ただ一点、「バベルの会」というサークルを除いては。

読書サークル「バベルの会」。
そこに集うのは良家のお嬢様たち。
そこで何が語られ、何がなされるのか。

「バベルの会」が繋ぐ5編の短編。
まさかそういう風に繋がるとは
想像もしていなかった。

お上手だ。

どの世界にもその世界なりの悩みや苦しみがあって
幸せなんてものは一定の尺度では測れないのだろう。
だからどこにだって厭世的なひとはいる…

しかし厭世的になるには、
少しばかりの余裕も必要なのではないだろうか。
明日の食べ物にも事欠く暮らしでは、
「儚い羊」にはなれはしない。
見方を変えれば、恵まれているということだろうか。

なぜに米澤さんはこんなにも厭世的な人物を描くのだろう。
厭世的にも少々飽きてきてしまった。

ストーリーや語り口は申し分なくとも、
米澤作品に手が伸びなくなっている理由はそこにある。




『儚い羊たちの祝宴』
・身内に不幸がありまして
・北の館の罪人
・山荘秘聞
・玉野五十鈴の誉れ
・儚い羊たちの晩餐


2014年11月28日| コメント:0トラックバック:0Edit


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