#001 打海文三 『ぼくが愛したゴウスト』  |読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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ブログタイトル、過去のものに変更しました。

#001 打海文三 『ぼくが愛したゴウスト』  


ぼくが愛したゴウスト

著 者:打海文三
発行元:中公文庫
発行日:2008年10月25日






内容(BOOKデータベースより引用):
臆病で生真面目だけど、十一歳のごく普通の少年・田之上翔太。生まれてはじめて、ひとりで行った人気ロックバンドのコンサートの帰り、翔太は駅で人身事故発生の瞬間に居あわせてしまう。それを境に彼は、この世界に微かな違和感を抱きはじめるのだが―。残酷で理不尽な世界に立ち向かう少年の、愛と恐怖の旅立ちの物語。


所感:
以前やっていたブログでお薦めいただいた作品。

気にはなっていたのだけれど
ファンタジーを連想させるようなタイトルに躊躇して
なかなか手が伸なかった。

しかし読んでみれば先が気になって気になって…。
一気読みしてしまった。
ある種のファンタジーではあるのだけれど、
不快感はまったくなく違和感も覚えなかった。


「パラレルワールド」なんていう言葉が登場するから
ファンタジーはファンタジーなのだろう。

タイトルにある「ゴウスト」はそのままの意味ではない。
「ゴウスト」は「ゴウスト」だけれど、
「ゴウスト」という単語にはいろいろな意味が込められている。


なにかのきっかけでパラレルワールドにワープしてしまった
11歳の翔太と俳優のヤマ健。
その世界は、翔太とヤマ健がいた世界と一見同じなのだが、
ふたりは周囲の人々に違和感を覚え始める。
やがてパラレルワールドで翔太たちの存在がバレ、
彼らは「異分子」として隔離されることになる。


本書は11歳の少年の、成長の物語でもある。
突如、異世界に放り込まれ、そこで理不尽な出来事に遭遇し
それらと適当に対峙しながら生きていうとする翔太。
彼の生きる世界は厳しく一般的ではないけれど、
その中で彼は「大人」になっていく。
いや、「大人」にならざるを得なかったといったほうが正しいかもしれない。


彼を囲む脇役たちのキャラもいい。
翔太と一緒に異世界に迷い込んでしまった山ケン。
翔太たちの監視役兼検査役やお世話役を務める
阿部先生に豊田准陸尉に一枝二等陸尉などなど。
魅力的なキャラたちが脇を固め、
物語をより一層深いものにしているように思う。


また本書では、
(ネタばれになるから詳しくは触れないが)
「心」という、目には見えないがその存在は当然で、
当然過ぎて話題にものぼらないものに対して
真正面から取り組んでいる。

この発想がとても斬新に思えた。
そしていろいろ考えさせられた。
(どう考えさせられたかもネタばれになるので書かない)


そして何よりも驚いたのは、物語のラストだ。
簡単にいうと意表を突く終わり方だった。

「意表を突く」といっても、
ウルトラCみたいな大どんでん返しがあるわけでも、
っかりするものでもない。
ただ単に、わたしの想像を超えた終わり方だというだけ。

このラストを読んで初めて、
「あぁ、こういう帰着もあるのか」と気付かされた。
これじゃまるで未知との遭遇だ(笑)。

なんて、本書がすごい物語であるかのように書いているけれど、
ストーリー自体は大きな起伏もなく
坦々と進んでいく。

翔太たちが元の場所に戻ることができるか、できないか。
それが読者の一番の興味ではあるのだと思うが、
それを超えたところにある「ラスト」を著者は用意していた。

だからこそ、驚いた。
そして、考えた。
でもってたぶん、感動した。


好きだな。

読んですぐよりも、
読んでちょっとたった今のほうが
もっとずっと、好きになっている。

好きな作品だ。




2014年04月10日| コメント:2トラックバック:1Edit
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トラックバック一覧

  1. 1. ぼくが愛したゴウスト 打海文三

    • [読書にゃああと]
    • 2014年07月31日 21:48
    • ぼくが愛したゴウスト 打海文三内容(BOOKデータベースより引用): 臆病で生真面目だけど、十一歳のごく普通の少年・田之上翔太。生まれてはじめて、ひとりで行った人気ロックバ ...

コメント一覧

    • 1. mokko
    • 2014年04月11日 05:29
    • あれ?これは前のブログ焼き直し・・・だよね?
      確かこれ、お勧めしてもらって読んだんですよねぇ
      確かに面白くて結末が予想外でした。
      mokko的にニオイが気になったけど(^◇^;)
    • 2.
    • 2014年04月11日 13:33
    • そうなのー。

      そのまま越してこられたらよかったのだけれど、
      HTMLが変になっててくずれっぱなしだから
      過去の記事をコツコツやきなおさなきゃなのよ~。
      だからしばらく既読のばかりだと思う。。。

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