#045 北森鴻 『孔雀狂想曲』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#045 北森鴻 『孔雀狂想曲』

孔雀狂想曲
著者:北森鴻
発行元:集英社文庫
初 版:2005年01月25日

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内容(裏表紙より引用):
東京は下北沢の片隅にある骨董品屋・雅蘭堂。店主の越名集治は実は相当の目利きなのだが、商売はそれほど上手くない。おかげでいつも開店休業状態。それでも、ひとたび人々の記憶や想いのこもった骨董品をめぐって事件が起きると、抜群の鑑定眼と推理力で謎に挑む。ベトナム・ジッポー、鉱物標本の孔雀石、江戸切子――様々なモノと謎が今日も雅蘭堂を訪れる……。傑作ミステリ連作集。


所 感:
これまでに読んだ北森作品の中で一番好きかも!

主人公は東京の下北沢で
開店休業状態の骨董品屋・雅蘭堂のオーナー・越名。
恐らく、ハンサムな部類ではない(勝手な想像)
。しかしその鑑定眼は確かで、
機転も利くし、なんといっても度胸がある。

骨董品を扱うには確かに鑑定眼が必要だ。
しかし本書を読む限り、
確かな鑑定眼と同じくらい必要な要素は度胸のような気がする。

例えば盗品が流されたとき。
例えば詐欺師を相手にするとき。
例えば万引き犯と対峙した時。
例えば押しかけ的にアルバイトをしている注意力散漫な女子高生店員が
大事な「預かり品」を壊してしまったとき…

鑑定眼だけではどうにもできない。
肝のちっちゃいわたしなんかには到底勤まりそうもない。

しかし同時に客商売でもある。
物腰はあくまでも柔らかく丁寧に。
店主・越名はそういった骨董品屋に必要な要素を持ち合わせている。

しかし、彼には経営力がない。
おかげでお店はいつでも開店休業状態。
その上、押しかけ的にアルバイトまで雇わされて…
でも解雇はできなくて…
しっかりしてるんだかしてないんだか、
この曖昧なキャラクターが心地いい。

実際のところはどうなのかは知らないが、
本作では、「骨董品には謎がいっぱい! 事件も発生!」状態で、
ジッポに切子に孔雀石に九谷焼に…
骨董品をめぐって事件が起きる。

それは日常の謎であったり、
ちょっとした駆け引きだったり…
しかし時たま死人もでたり。

その謎を越名が持ち前の鑑定眼と推理力を使って解決するのだが、
それぞれの骨董品にまつわる謎の正体は時にせつなくほろ苦く…。
美術品鑑賞らしく言えば「味わいがある」。

古いものにはそれだけ人の想いが宿る機会が多くなる。
だからこそきっと骨董品は魅力的であり、
いつの時代もコレクターを興奮させる。
奥の深い世界なんだろう。

と、骨董品の世界を全く知らないわたしでも十二分に楽しめるミステリ。
キャラもいいし謎もいいし、
駆け引きもありで、とっても好みのミステリ。



『孔雀狂想曲』収録作品
・ベトナム・ジッポー・1967
・ジャンクカメラ・キッズ
・九谷焼焼幻化
・孔雀狂想曲
・キリコ・キリコ
・幻・風景
・寝付け供養
・人形転生






2014年04月27日| コメント:0トラックバック:0Edit
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