#098 円居挽 『丸太町ルヴォワール 』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#098 円居挽 『丸太町ルヴォワール 』

丸太町ルヴォワール
著 者:円居挽
出版社:講談社文庫
発行日:2012年09月14日



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内容(Bookデータベースより引用):
祖父殺しの嫌疑をかけられた御曹司、城坂論語。彼は事件当日、屋敷にルージュと名乗る謎の女がいたと証言するが、その痕跡はすべて消え失せていた。そして開かれたのが古より京都で行われてきた私的裁判、双龍会。艶やかな衣装と滑らかな答弁が、論語の真の目的と彼女の正体を徐々に浮かび上がらせていく。「ミステリが読みたい!」新人賞国内部門第2位、「このミステリーがすごい!」国内部門第11位。


所感:
書店で平積みになっているのを見て、手に取った作品。

これが…
実に面白い!!

全四章から成る本作は、
第一章とその他の章と二分することができる。

第一章「朱雀の女よ」で語られるのは、
中学三年生の城坂論語の初恋の思い出。

怪我により一時、目が不自由だった論語は、
祖父の家で謎の女に出会う。
気配を殺して論語の祖父の家に上がりこんだその女は、
自らを「ルージュ」と名乗った。

論語はルージュとの会話に翻弄される。
ルージュの顔は分からない。
しかしその言葉運び、息遣い、
頭の回転の速さ…
すべてが論語を魅了する。


第二章以降は、論語の初恋に落ちた日から三年後のこと。

三年後、京の街に古より伝わる私的裁判
「双龍絵」の場に、論語は「被告人」として召喚されていた。

三年前のあの日、ルージュが訪れた城坂家では、
論語の祖父が亡くなっていたのだ。


と、あらすじを論語中心に書いたのだが、
この作品の主役は論語ではない。

この作品の主役は、
二章から始まる「双龍絵」で活躍する弁士たち。
現代の裁判における弁護人と検察官に扮する彼らが
繰り広げる、論理合戦が面白い。

ロジカルなものいい、
相手の隙をとらえる心理戦、
そして繰り出される罠の数々。

しかしその先に用意されていたのは、
傍聴人(読者を含む)の想像を超える真実。

更にその奥にある事実。

あぁ、面白い。
こんなに面白い作品には久々に出会った。

タイトルの「ルヴォワール」はおそらく、
フランス語での「さよなら(またね)」にあたる
「オルヴォワール」から。

「さよなら(永遠に)」の「アデュ」とならない
ところにも意味がある。

こういうちょっとした仕掛けも好みだ。

聞けば本作が著者のデビュという。
やはりデビュ作には、パワーがある。

このシリーズでは『烏丸ルヴォワール』と
『今出川ルヴォワール』が既に刊行済みとのこと。
第一作でこれでもかとどんでん返しを仕掛けた
登場人物たちの多くが登場するだろう。

となれば、さらなるどんでん返しは難しい。
今後の展開がどうなるか。


『烏丸ルヴォワール』を既に読んだが、
なかなかどうして。
楽しめた。






2014年05月16日| コメント:2トラックバック:0Edit
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 コメント一覧 (2)

    • 1. mokko
    • 2014年05月17日 17:33
    • 面白かったのねぇ
      よかったぁ~(o^o^o)
      実は積んでいた。次に何を読もうかなぁ~と
      思っていたところだったんだけど
      これにしようかなぁ~
      でも脳みそが疲れてる時は、やめておいたほうがいいかしら?
      迷うところだわ(-。-;)
    • 2.
    • 2014年05月19日 10:11
    • mokkoたん♡

      疲れていても忘れちゃうくらいに没頭しちゃったー(笑)♪
      好きです♡

      お上手じゃない部分もあるけれど、それを含めても好き☆
      しばらくは読み進めていくつもりー!!

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