#107 今邑彩 『盗まれて』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#107 今邑彩 『盗まれて』

盗まれて
著 者:今邑彩
出版社:中公文庫
発行日:2012年01月25日





内容(Bookデータベースより引用):
優秀なゴースト・ライターだった夫が、本当の「幽霊」になってしまった!困り果てる売れっ子作家に、夫の幽霊から電話が…(「ゴースト・ライター」)。中学時代の同級生から、十五年の歳月を越えて送られて来た手紙とは(「時効」)。ミステリーはいつも電話と手紙によって運ばれる。傑作推理短篇集。


所感:
ついにこの作品までもが復刊!!!
密かな今邑ブームはまだまだ続いているようで嬉しい限り。
あと二冊くらい、復刊を望んでいる作品があるのだけれど
それもちゃっちゃと復刊してくれないかしらん。


本書は手紙と電話を巡る短編集。
収められている8篇には必ず、
電話または手紙が登場する。

ここでいう「電話」は携帯電話のことではなく、
固定電話――いわゆる家電――だ。
というのも、本作が上梓されたのは1995年のこと。

当時の携帯電話はまだ
携帯に向かないサイズだったのじゃないかな。
ポケベルもまだそんなに普及してなかった頃かも。
この10何年で通信手段は本当に発達したなぁ…と
しみじみ感じてしまった。

さて話は戻って本書。
テイストとしてはホラー。

ホラーといっても幽霊が登場するわけではなく、
著者お得意の生身の人間(生霊ではない)による
恐ろしさを描いた作品集だ。

それも、さらっと読むと見過ごしてしまうような、
さりげない恐ろしさ。
でもそこにはきちんと「悪意」が存在する。

さらりと見過ごしてしまうような犯罪が
この世にはどれだけ多くあるのだろうか。
そう深追いして考えてみるとさらに恐ろしさが増す。

端的にいうならば
「意味がわかれば恐ろしい」おはなし。
意味をわからずに知らないまま過ごすのが幸せなのか、
なんでも知ってしまうほうがいいのか。
そこもまた悩んでしまう。

そんなどーでもいいことにまで想いを馳せてしまった。

この手の作品に関しては内容には触れないでおく。
短篇という形式の上、読んでわかってはじめて
ざわわわわわ…となるのが楽しみだから。




『盗まれて』収録作品
・ひとひらの殺意 CALL IN SPRING
・盗まれて CALL IN EARLY SUMMER
・情けはひとの…… CALL IN AUTUMUN
・ゴースト・ライター LETTER FROM GHOST
・ポチが鳴く LETTER IN SPRING
・白いカーネーション LETTER IN MAY
・茉莉花 LETTER IN AUTUMN
・時効 LETTER IN LATE AUTUMN


2014年05月20日| コメント:0トラックバック:0Edit
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