絶叫城殺人事件
著 者:有栖川有栖
出版社:新潮文庫
発行日:2004年02月01日
内容(Bookデータベースより引用):
「NIGHT PROWLER(夜、うろつく者)」と記された小さな紙片を、口の中に押し込まれ、次々と殺害される若い女。残酷な無差別殺人事件の陰には、カルトなホラー・ゲームに登場するヴァーチャルな怪物がー。暗鬱の「絶叫城」に展開する表題作ほか、「黒鳥亭」「壷中庵」「月宮殿」「雪華楼」「紅雨荘」と、底知れぬ恐怖を孕んで闇に聳える六つの迷宮の謎に、火村とアリスのコンビが挑む。
所感:
先日読んだ
『長い廊下がある家』が想像以上に好みだったので、
遅ればせながら火村&アリスブーム到来。
長年の苦手意識はなんだったのかしらん…??
火村&アリスブームは短篇が多いのね。
例にもれず本書も短編集。
「建物の名称」プラス「殺人事件」の組み合わせで
タイトルをつけられた物語が6篇収録されている。
『黒鳥亭殺人事件』
学生時代の友人天農に請われて、彼の住む黒一色の邸に向かった火村とアリス。
その家の井戸では先日、数年前に死亡したと思われていた男の遺体が見つかった。
しかもその遺体は死後1週間だったという…。
『壺中庵殺人事件』 蛸壺を模したような地下室で、主の首吊り遺体が見つかった。
現場は密室。しかしこの首吊りは自殺ではないようで…。
『月宮殿殺人事件』 ホームレスが建てた見事な芸術作品のような月宮殿。
その舘で主のホームレスが焼死した。
悪ガキどもが中に人がいるのに火をつけたという目撃情報があるのだが…。
『雪華楼殺人事件』
未完成のまま廃屋となった建物で、若い男の遺体が発見された。
他殺の痕跡があるようだが、雪が残る現場に犯人の痕跡はない。
事情を知っているはずの少女は記憶喪失に陥っていて…。
『紅雨荘殺人事件』 映画に登場して有名になった私邸、紅雨荘。
その持ち主が別宅で亡くなった。
他殺だと見られるが、現場の痕跡が腑に落ちなくて…・
『絶叫城殺人事件』
若い女性をターゲットにした無差別連続殺人事件が発生。
犯人は『絶叫城』というゲームを模して犯行を行っているようだが…。
まず、タイトルが素敵だ。
まとまりがある。
タイトルを決めてから作品を書いているのかな。
度も短編も、事件の真相がちょっと哀しい。
そしてちょっとさびしい気持ちにもなる。
この統一感も好きだなぁ。
しばらく火村&アリスにハマりそう。
『絶叫城殺人事件』収録作品 ・黒鳥亭殺人事件
・壺中庵殺人事件
・月宮殿殺人事件
・雪華楼殺人事件
・紅雨荘殺人事件
・絶叫城殺人事件
有栖だぁ~これ、積んでます!
でも、火村&有栖の初体験が、アンソロジーで読んだ
本作に収録されている壺中庵殺人事件だったりします。
このコンビが気に入って、別のアンソロジーでシリーズを
追いかけようって思ったんですよぉ~
久しぶりに積んでた本を読んでみようかなぁ~
何を読もうか迷ってるとき、誰かが読んでる本に影響されるって
結構あったりします(○≧艸≦)゛