#129 加藤千恵 『その桃は桃の味しかしない』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#129 加藤千恵 『その桃は桃の味しかしない』

その桃は桃の味しかしない
著 者:加藤千恵
出版社:幻冬舎
発行日:2012年04月25日


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内容(Bookデータベースより引用):
わたしとまひるは同じマンションに暮らしている。
しかし、私たちの関係について説明するのは、おそろしく厄介である。

高級マンションの一室で暮らす、わたし・奏絵とまひる。一緒に住んでいるにもかかわらず、わたしたちは、姉妹でも友達でもなかった。ふたりの共通点は、同じ男性の愛人であること。「この日々が永遠じゃないことはわかっている。けれど、永遠なんて、どこにもないのだから、それで構わない」。そう割り切って始めたはずの奇妙な共同生活。だが、食事をともにする機会を重ねるうち、奏絵は、まひるとの生活を、大切なものへと思い始めている自分に気づく――中華風スープ、冷やし豚しゃぶ、ビーフシチュー、桃、ピーナツバターとツナのサンドイッチ、オムライス、そうめん、納豆汁、お粥――恋敵と食べるごはんは、どうしてけっこう美味しいんだろう。愛しすぎることも、憎みすぎることもできないふたりの生活を、丁寧な筆致で描く。大ヒットとなった小説集『ハニー ビター ハニー』以後、小説家として活躍の幅を広げ続けてきた著者が満を持して放つ、初の本格長編小説。


所感:
恋愛小説は苦手だ。
でも加藤さんは好き。

不倫が出てくるストーリーは嫌いだ。
でも本作は不思議と嫌じゃなかった。

それはきっとわたしが加藤千恵ワールドに魅せられているから。


平井さん(40代、妻子あり)の愛人として
共同生活を送るまひるとわたし(奏絵)。
高級マンションを与えられ、
生活費も貰い、不自由のない生活。

バイトをして外と繋がっている奏絵と、
平井さんだけいればそれでいい、まひる。

外と繋がっているといっても奏絵は
決してフレンドリーな性格ではない。
バイトはあくまでバイト。
職場の人間とは必要以上に関わりたくない。
彼らはあくまで「職場のひと」だ。
ひとり暮らし経験もあり、一通りの家事はこなせる。

対してまひるはハタチのころからこの生活。
家事なんてできないし、したいとも思ったことがない。
可愛いものに囲まれて、
嫌なものには拘わらず、
おとぎの国の世界に住んでいる…のか、
それとも「籠の鳥」か。

そんなまひると食事を共にするようになって
まひるに対する愛着を抱くようになる奏絵。
ふたりの間に生じたのは「友情」なのか。


この作品のテーマは何なのだろう。
友情?不倫??
「女の子」の成長?
(注:ここで言う「女の子」は年齢的なものではない)

うーむ。
色んなことがない交ぜになっていて、結論は出せない。
どれもがそうであり、どれもが違うような気もする。

あやふやな雰囲気。
けれども語り口は淡々。

最後まで読んだ後のわたしの第一声は
拍子抜けするくらい単純なものだった。

で?

ミステリ(主に犯人探しが好き)ばかり読むわたしにとって、
一定の結論のない物語はハードルの高い読み物である。
堪能のしかたがわからない。
だからといって、楽しくないわけではない。

何が描きたかったのか…それはわからない。
わたしの単純な感覚では理解できない。
でも、嫌いじゃない。

なんとも表現ができない物語。
これまでに読んだ短篇のように、
きゅっとなるフレーズもなく、
ただただ淡々と読んでしまった。

それがいいのか悪いのかはわからない。

タイトルもはっきり言ってわたしには解読不能だ。
『その桃は桃の味しかしない』。
うん、桃が蜜柑の味だったらいやだよね(笑)。

でもたぶん、著者が込めた想いは
そういうんじゃないとは思う。
だけど、それが何かはわからない。
わからないことだらけの作品だ。

ただはっきりと言えるのは、嫌いじゃない、ということだけ。
たぶん、好きではない。
でも「好きではない」よりも
「嫌いじゃない」のほうがしっくりくる。

ただ、句点の多さとたまに登場する倒置は
好きじゃなかったな。
著者の意図がわたしの好みには合わない。
全体的にもそういうことだったのかもしれない。


文庫はコチラ。

2014年06月03日| コメント:0トラックバック:0Edit
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