#179 西澤保彦 『人格転移の殺人』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#179 西澤保彦 『人格転移の殺人』

人格転移の殺人
著 者:西澤保彦
出版社:講談社文庫
発行日:2000年02月15日




内容(Bookデータベースより引用):
突然の大地震で、ファーストフード店にいた6人が逃げ込んだ先は、人格を入れ替える実験施設だった。法則に沿って6人の人格が入れ替わり、脱出不能の隔絶された空間で連続殺人事件が起こる。犯人は誰の人格で、凶行の目的は何なのか?人格と論理が輪舞する奇想天外西沢マジック。寝不足覚悟の面白さ。


所感:
面白かった~~~!!!

SFって苦手なのだけれど、
著者の描くSF設定はすんなり受け入れられる。
いや、むしろ「めちゃくちゃ好み」!!

それはきっと、著者がSFという特殊設定に逃げていないからだろう。
だからミステリで瞬間移動能力を持つ主人公を登場させても
読者に受け入れられる。

本書に登場する特殊設定は、人格転移。
冷戦時代にアメリカで研究されたある部屋に入ると、
入った人間の中で人格が入れ替わるというのだ。

例えばその部屋にAさんとBさんが同時に入室したとする。
するとAさんの外見にBさんの人格(b)が入り、
Bさんの外見にAさんの人格(a)が入ることになる。
そしてその人格aとbは、
規則性のないタイミングで交代を繰り返す。
そしてそれはどちらかの心臓が止まるまで続く。

しかしその研究も冷戦の終わりと共に封印され、
絶対の秘密として未来永劫解き放たれる予定ではなかったのだが…。


大地震が起こった際に、ファーストフード店にいた6人が
シェルターと間違えてこの封印されたはずの部屋に入ってしまった。
そして6人の中で起こる人格転移。
それだけも大混乱なのに、
隔離された6人が次々と殺され出して…


人格転移というぶっとんだ設定で起こる連続殺人。
犯人はおおよそ見当がつく。

普通の設定ならば、
犯人を縛り上げておけばことが済む。
しかしここで人格転移という設定のしばりが発生する。

犯人の人格が入った身体を縛り上げても、
次に人格が移転すると犯人の人格は別の身体に入ってしまうのだ。
だから縛り上げることに意味はない。
ならばどうすればよいのか…。

ただ犯人を見つけるだけではだめだ。

犯人探し、動機探しに加えてこのスリルも楽しめる。

いや~、面白かった(笑)。
2014年07月02日| コメント:0トラックバック:0Edit
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