#180 長岡弘樹 『傍聞き』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#180 長岡弘樹 『傍聞き』

傍聞き
著 者:長岡弘樹
出版社:双葉文庫
発行日:2011年09月18日




内容(BOOKデータベースより引用):
患者の搬送を避ける救急隊員の事情が胸に迫る「迷走」。娘の不可解な行動に悩む女性刑事が、我が子の意図に心揺さぶられる「傍聞き」。女性の自宅を鎮火中に、消防士のとった行為が意想外な「899」。元受刑者の揺れる気持ちが切ない「迷い箱」。まったく予想のつかない展開と、人間ドラマが見事に融合した4編。表題作で08年日本推理作家協会賞短編部門受賞。


所感:
単行本刊行時にとても話題になった本作。
好きなテイストの作品ということもあって
いまかいまかと文庫化を待っていた。
そして文庫化された本書にもべた褒めの帯が。

と、この時点で敢えて冷静になるべきだったのだ。

結果から言うと、期待値を上げすぎてしまった。
前評判を耳にしすぎたのがよくなったのだろう。

確かに、よく練られたプロットではある。
よくよく作りこまれている。

だけれども、
それが前面に出すぎていて、
文章に入り込めない。

「遊び」もない。
ブレーキだってほどよい「遊び」が必要だ。

文章は淡々としていて重みもなく、
だからこそすらすらと読める。
それは「読みやすい」と表現することも可能なのだけれど、
「読みやすい」故、読んだそばから忘れてしまう。
何も残らないのだ。

内容はどちらかというとブラックよりで、
そこに人間のやさしさや情も織り込まれていて
よいテーマばかりだ。
だかこそ、もっと「厚み」や「重み」がほしかった。

加えて、収められている4篇が4篇とも
全く同じ構成というのも面白みにかける。
初めの2篇はよしとして、
3篇目以降は展開が完全に読めてしまう。
これでは楽しみが半減してしまう。

もっと「遊び」と「重さ」のメリハリが欲しい。
お上手だけれど、「お上手」としか感じられない作品だった。





『傍聞き』収録作品
・迷走
・傍聞き
・899
・迷い箱


2014年07月02日| コメント:0トラックバック:0Edit
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