ねずみとり
著 者:アガサ・クリスティ(鳴海四朗訳)
出版社:ハヤカワ文庫
発行日:2003年03月10日
内容(Bookデータベースより引用): 若夫婦の山荘に、大雪をついて五人の泊り客、そして一人の刑事がやってきた。折しも、ラジオからは凄惨な殺人事件のニュースが流れはじめる。やがて、不気味なほどの緊張感がたかまり、舞台は暗転した!マザー・グースのしらべにのって展開する、スリリングな罠。演劇史上類をみないロングランを誇るミステリ劇。
所感:
面白かった~。
クリスティをきちんと読むのはこれで二作目。
ちなみに初めてきちんと読んだのは
『そして誰もいなくなった』。
本作も『そして誰もいなくなった』と同様、
いわゆるクローズドサークルもの。
閉ざされた雪の山荘。
切られた電話線。
外界との接触を一切断たれた山荘で、
ひとり、またひとりと殺されていく…。
となるはずのところなのだけれど…。
殺される人数は『そして誰もいなくなった』の
それと比べると随分少ない。
それもそのはず。
本書は戯曲なのだ。
演劇のために書き下ろされた脚本。
演劇の所要時間は2時間から2時間半というところか。
あまりたくさん殺される時間はないのだ。
とはいえ、
限られた時間のなかでの展開は
十分スリリング。
ミステリが量産される現代を生きるわたしには、
犯人の目星はすぐにつくのだけれど、
それでもハラハラドキドキが止まらない。
加えて、コメディ要素もあって…
これは演劇をぜひ観てみたい。
きっと本で読むよりもコミカルで笑いどころも多いのだろうな。
観たい観たい観たい!!!!
戯曲を読むのは
一般的な作品を読むより難しかったりもするのだけれど
(地の文がない、慣れていないなどの理由により)
本書に関しては、
『そして誰もいなくなった』よりも読み易かった。
翻訳作品が苦手なわたしには、
地の文がないのがよかったのだろう。
会話文だけでも内容は理解できる。
本当、舞台が観てみたい。