#214 今邑彩『よもつひらさか』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#214 今邑彩『よもつひらさか』

よもつひらさか
著 者:今邑彩
出版社:集英社文庫
初 版:2002年09月25日



内容(裏表紙より引用):
現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。ちょうど立ちくらみをおぼえた私は、青年の差し出すなまぬるい水を飲み干し…。一人でこの坂を歩いていると、死者に会うことがあるという不気味な言い伝えを描く表題作ほか、戦慄と恐怖の異世界を繊細に紡ぎ出す全12篇のホラー短編集。


所感:
本書は今邑作品で二冊目に読んだ本。

はじめて読んだ『ルームメイト』はストーリーが面白かっただけに
構成が少し残念な気がしたのだけれど、
気になる作家さんであることには違いないので
暫くは読むつもりで手に取った。

まさかここまではまるとは…(笑)。 

本書はある種のホラー短編集である。

ホラーといってもエクソシストのように
悪魔が人間に乗り移るわけでもなければ、
魑魅魍魎に妖怪がうじゃうじゃ登場するわけでもない。

かと言ってジェイソンのようにチェーンソーが大活躍するわけでもなく
、「霊かも?」と思う物体がすこーし、
ほんのすこーしだけ登場するだけで、
収録されているのは、
生きている人間に起こったホラーである。
(もちろん、生霊というわけでもない)。


だからこそ、空恐ろしい。


だって、あなたにもわたしにも起こりうることかもしれないのだから。

ジェイソンだの霊だのお化けだのっていうのは苦手だけれど、
こういうホラーって好きだなぁ。
恐ろしくって哀しい。


先が読めるところも、またいい。

あるジャンルを読み続けていると耐性ができてしまって、
めったなことでは驚かなくなってしまう。
本書で登場するストーリーのほとんどは
構成がオーソドックスで、
結末は十中八九、読者の想像の域を出ない。
でもそれが安心感につながり、好きだ。

今邑さんは長編よりも短編のほうが巧いな。




『よもつひらさか』収録作品
・見知らぬあなた
・ささやく鏡
・茉莉花←真実は時にどうしようもなく哀しい。
・時を重ねて←確かにホラーだけれど、あったかい。
・ハーフ・アンド・ハーフ←ぎょっとしました。
・双頭の影
・家に着くまで←こういうの、好き。
・夢の中へ……
・穴二つ←哀しかった…。
・遠い窓←これも哀しい。
・生まれ変わり
・よもつひらさか

2014年08月12日| コメント:0トラックバック:0Edit
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