#227 太田光代『私が「にんぎょひめ」だったころ』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#227 太田光代『私が「にんぎょひめ」だったころ』

私が「にんぎょひめ」だったころ
著 者:太田光代
出版社:集英社インターナショナル
初 版:2010年03月31日



内容(amazonより引用):
爆笑問題・太田光の妻にして、所属事務所タイタンの敏腕社長。酒豪で知られ、鬼嫁と恐れられる著者には、父を知らず、母とも離れ足の病気で3歳まで病院で過ごした孤独な少女時代があった‥‥。

個性を育んだ少女時代の思い出、敏腕社長の仕事の流儀。不思議で面白い夫婦の話、お酒での失敗談・武勇伝などなど、いま最も旬な彼女がセキララに語る、愛と笑いに満ちたエッセイ集。オススメの映画、本などの紹介もあり。


所感:
わたしはエッセイを好んで読まない。
フィクションのほうが想像の世界に浸ることができるし、
現実逃避に向いているから。

しかしたまにエッセイを読んでみたくなることもある。
好きな俳優や女優そして作家の日常に多少の興味があるし、
彼らが日常の出来事からどんなことを考え思っているのか、
その「派生」部分を見てみたいという
「ノゾキ」にも近い下世話な好奇心が抑えられないのだ。

しかし残念なことに
うきうき「ノゾキ」気分で垣間見た有名人の「日常」のほとんどは、
わたしの心を刺激しない。
大概の場合、「ふーん」と思って終わってしまう。

時折笑えるエピソードが描かれていることもあるけれど、
それでも「笑える」と思っている時点で
それほど「面白い」とは思っていない(と思う)。

描かれている「考え」の部分に対しては否定も肯定もないので、
やはり相対的に「ふーん」という感想に落ち着くことが多い。

「ふーん」と思うことがほとんどなのに
なぜわたしは本書を手に取ったのか。
それはもちろん、太田光代氏に興味があるからに他ならない。

テレビで彼女が話しているのを見て
直感的に「この人、好き!」と思ってしまったのだ。
(恋愛感情ではないです)

直感的とはいえ、好きだと思った理由を考えてみる。
放送を見て感じたバイタリティありそうなところ。
言葉の言い回し。
豪快なところ云々…
うーん、「好き」の理由を後付けでも挙げるのはなかなか難しい。

この人はどんなことを考えながら日常を送っているのかしらん。
そう思って本書を手にとってみた。

まず、驚くほど読みやすい。
簡潔で読みやすい文章。
やわらかい言い回し。
そのどれもが好みだった。
そして内容も。

太田光代氏の人生はおそらく一般的とはちょっと違う。
端的に言うと波乱万丈。
でもその中に絶望感とか喪失感といったマイナスな感情は伺えない。

「今振り返ると」大変だった時期には
ネガティブになったことがあったかもしれない。
でも、この本からはそれは読みとれない。

敢えて削っている可能性はゼロではないけれど、
きっとこの人はそういうひとなんだろうと思った。
そしてとてつもなく「かわいい」ひとだとも。

タイトルにある「「にんぎょひめ」だった」とは、
選定性股関節脱臼という病気で歩くことができなかった
幼少期の太田氏に主治医が言ってくれたことばから。
「君は人魚だったから、先生が足をつけたんだ。だからもうすぐ歩けるようになるよ」などと言って、『にんぎょひめ』の絵本をくれたりした。今考えると事実であるわけもないのだが……。


この人の書く文章をもっと読んでみたい!!
と思う一冊だった。

2014年08月29日| コメント:0トラックバック:0Edit
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