真相
著 者:横山秀夫
出版社:双葉文庫
初 版:2006年10月20日
内容(裏表紙より引用): 犯人逮捕は事件の終わりではない。そこから始まるもうひとつのドラマがある。―息子を殺された男が、犯人の自供によって知る息子の別の顔「真相」、選挙に出馬した男の、絶対に当選しなければならない理由「18番ホール」など、事件の奥に隠された個人対個人の物語を5編収録。人間の心理・心情を鋭く描いた傑作短編集。
所感:
横山秀夫といえば警察小説。
そんなイメージがある。
組織内抗争だとか派閥争いだとかいったテーマは苦手なので、
警察小説にはあまり惹かれない。
加えて横山秀夫の作風は
「娯楽」として本を読んでいるわたしには重厚すぎて楽しめない。
しかし…
ブロトモさんが楽しそうにご紹介されていると、
苦手だとわかっていても手に取りたくなってしまう。
ブログとは楽しくもあり実に恐ろしいものでもある(しみじみ)。
本書には5編の短編が収められている。
そのどれもに――表題作の『真相』のタイトル通り――
ある事件の奥に隠された「真相」が描かれている。
この「真相」が実に後味が悪い。
「後味が悪い」とは決して貶(けな)しているのではなく、
単なる事実である。
世の中には
知らなくて済むならば知らないでいたほうがよいこともある。
「真相」を知ってしまったがために
今度はその「真相」から目をそむけたくなる場合もある。
そして本書の主人公たちは
知らなくてもよい「真相」を知ってしまったが故に、
余計な哀しみややるせなさ、
あるいは恐怖を怯え背負うことになる。
この後味の悪さがとてもいい(=読み物として楽しい、との意味)。
しかし裏表紙にあるように
「人間の心理・心情」が描かれているので
各編の内容が妙に生々しく気が滅入りそうにもなってしまった。
こういう横山作品ならば、もっと読んでみたいっ!!!と思う。
『真相』収録作品
・真相
・18番ホール
・不眠
・花輪の海
・他人の家
横山さん、県警シリーズの「動機」「第三の時効」
は面白かった~
映画にもなった「半落ち」もよかった~
この「真相」は未読、読むのが楽しみです。(´・(ェ)・`)