#246 角田光代『これからはあるくのだ』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#246 角田光代『これからはあるくのだ』

これからはあるくのだ
著者:角田光代
出版社:文春文庫
初 版:2003年09月10日




内容(裏表紙より引用):
自分が住んでいる町で道に迷い、路上で詐欺にひっかかり、飛行機が嫌いなのに海外旅行に出かけてしまうカクタさん。騙されても理不尽な目に遭っても自らの身に起こった事件を屈託なく綴るエッセイ集。そのボケッぷりとユニークな発想は、少女時代から大炸烈!大人になってよかった、と思える一冊です。


所感:
小説はどうも好きになれない角田さん。
しかし以前読んだ『しあわせのねだん』というエッセイが
思いのほか読みやすかったので手に取ってみた。

そしたら…
やられてしまった。

だって最初のテーマ「わたしの好きな歌」の冒頭に、
清志郎の「スローバラード」の歌詞があるのだものっ! 
これでもう抗えない。
完全にKOだ。

読書ブログを始めてからは割と読むようになったのだけれど、
以前はほとんど、というよりも「全く」に近いほどエッセイを読まなかった。

「事実は小説よりも奇なり」とは言うけれど、
やっぱり虚構の方が楽しいし想像力も膨らむし…
と知らず知らずのうちにエッセイを敬遠するようになっていた。

それにたまに「面白そう」と思って手を伸ばしても、
エッセイはやっぱりエッセイで、
興奮するポイントもなくただ淡々と文字を追っては
「ふーん」と思うだけだった。

今でもエッセイに対しては大体の場合、「ふーん」と思ってしまう。
見下しているとか「詰まらないに決まってるでしょ」と思いながら読んでいる、
と言う訳では無くて。

書いた人が体験したり思ったり感じたことを、
見たまま聞いたまま感じたまま綴っているのだから、
それに対して「ふーん。なるほど。そうですか。」という以上に
あまり感情が湧いてこないのだ。

「こうこうこうでこういう体験をしたんです!!」と言われても
「ほーそういうこともあるんですねぇ」と、
聞いたままを受け入れてしまう。
もっと考えながら生きたほうがいいのかな?と不安になるくらいに。

でも、そんなわたしでも時たまハッとさせられたり、
爆笑してしまう一文に出会うこともある。
でもそんな一文の割合は
一冊のエッセイの中のごく僅かな部分だ。

ところが、だ。たった143ページの本書には、
なんと共感する部分が数か所もあったっ!!!
これには驚いた。

まず冒頭の清志郎。

ドライブインが好きなこと。

女の人の荷物がなぜあんなに多いのか、
同じ女なのによくわからないこと。
特に旅行時の荷物の多さに驚く。

反対にわたしは荷物の少なさに驚かれる。
そして「何か忘れてないかな」と不安になる。
でも結局、忘れ物なんて何もない。
マイ歯ブラシだって入っている。

特に共感したのは、あとがきだ。
「かわっている」という言葉に対する印象。
著者は言う――かわっている、へんであるというのは、徹底的にかなしく、さびしく、かっこうわるいことで、私にとっては絶望と近しい言葉ですらある。と。

以前勤めていた会社で同期の女子が
「わたし、変わってるから」と言っているのを聞いて驚いたことがある。
わたしから見て彼女は決して変わっていなかった。

見たところ、彼女は「変わっている」という言葉に対して
良い印象を持っているようだったので
「あなたは普通だよ」と無粋な突っ込みはしなかったけれど、
「変わっている」とは、ある種のステータスなのだろうか。
今でも疑問に思う。

言葉に対するイメージっては人それぞれなのだなぁ
と考えるととても興味深い。

そして疑問に思うことも一点。
著者は「文字だけの夢」をときどき見るという。
本を読むときみたいに、夢が全部文字で構成されている。そうだ。

ここでの「夢」とは、将来の「夢」の「夢」ではなくて、
夜に見る、バクが食べるというアノ「夢」なのだけれど、
「文字だけの夢」というものがが存在することを初めて知った。
そして驚いた。
「文字だけの夢」、見たことある人いらっしゃいますか? 

また夢診断では「カラーの夢は云々…」と言うらしいけれど、
わたしの夢は常にカラーなので、カラーでない夢って?
という疑問が頭の中を駆け巡る。
みなさんの見る夢はどうですか?

ちなみに本書の解説は三浦しをん氏。
ブロトモさんにしをんファンが何人もいることは百も承知で書くけれど、
彼女の作品はどうも苦手だ。

だけどエッセイならば…と思っていたのだけれど、
この解説を読んで挫折した。
いつか。
もしかしたら読むかもしれないけれど。


2014年09月26日| コメント:0トラックバック:0Edit
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