#255 三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#255 三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』

まほろ駅前多田便利軒
著者:三浦しをん
出版社:文春文庫
初 版:2009年01月10日




内容(裏表紙より引用):
まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.―ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると何故かきな臭い状況に。多田・行天の魅力全開の第135回直木賞受賞作。


所感:


台風19号(ヴォンフォン)が日本列島を縦断中。
ここ和歌山でも雨風の勢いがましてきました。

というほんの数十分前は小鳥がさえずっていたのだけど、
もしかして「逃げなきゃ逃げなきゃ!!」って言ってたのかもしれない。
頑張っておくれ。

我が家にやってくる野良猫ちゃんも台風明けに
元気な姿を見せてくれることを信じてます。

で。
本題。


いくつか読んで、「あ、こりゃだめだわ」と思ったしをんさん。
もう読まないでおこうと思っていたのだけれど、
なぜかあちらこちらの読書ブログさんでしをんさんを見かける。

『ビロウな話で恐縮です』など、
わたしの心を鷲掴みに掴んじゃうようなタイトルに
とてつもなく興味をそそられたけれど、
それでも我慢した。

しかしhitoさんのレビューを読んで、読んでみることにした。
あんなに敬遠してたのに、突然そう思った。
だってhitoさんが「何となく坂木司さんの書く小説のイメージでした。」
と書かれていたのだもの。

ここでいう「坂木司さんの書く小説のイメージ」とは、
坂木司の『青空の卵』から始まる
引きこもり三部作の主人公たちのことだろう。
共依存の健全な(?)成人男性二人組。
この手の話だったら読めるかなぁ??と思ったのだ。

で読んでみたら! 
とてつもなく読みやすかった。
スラスラ読める。

あまりにもスラスラ読めるので
内容のほとんどをすぐに忘れてしまうだろうことは確定なのだけれど、
読んだ後にちょっと前向きになった、
ということはきっと忘れない。
(と思う、今、は。)


東京のはずれにあるまほろ駅前で便利屋を営む多田。
多田が目を離したすきに逃げだした、
客から預かったチワワを探して行き着いたバス停で、
まほろ高校時代の同級生、行天に再会する。
文無し行き場所なしの行天は多田の事務所に上がり込み、
そこから二人の共同生活が始まった。


そんなエピソードを聞くと二人がとても仲が良かったように思えるけれど、
実は多田が行天ときちんと会話をするのはバス停での再会の時がはじめて。
高校時代の行天が学校で発したのは、
「痛い」というたった一言、それも一度きりだった。
なぜか周囲ととてつもなく距離を置いていた行天。
もちろん多田とも親しくなんてなかった。

共に離婚歴のある多田と行天。
他にもいろいろ触れられたくない過去もある。
高校時代にはほとんど接点のなかった二人が偶然再会し、
共に暮らし、働き、その間に友情のようなものが芽生えていく。
おそらくこれは「再生」の物語だろう。

多田と行天以外の登場人物には夜逃げをした一家の少女、
自称コロンビア人娼婦、ジャンキー、無関心な親を持つ小学生、
親を殺してしまった女子高生、
その女子高生が唯一の友だちだという女子高生、
その彼氏でヤクの売人の男…などなど、
国語の教科書にはとてもじゃないけれど
登場できないメンバーたちが脇を固める。

傍から見たら「順風満帆」にはとても見えない登場人物たち。
ひとつひとつのエピソードを深く掘り下げると重いものばかけれど、
なぜか陰鬱な雰囲気にはならない。
むしろ読後感は爽やか。

みんながそれぞれの形で「再生」していく過程が描かれているからだろうか。
読み終わったあと、ちょっとあったかくなる。
形あるものもないものも、
一度壊れたら多くの場合は元通りにはならないけれど、
それでも修復はできる。

多田が最後に言った「幸福は再生する」という言葉が
全てを物語っているような気がする。

あ、そうそう。hitoさんが仰ってたとおり、
多田と行天の関係はやはりどこかしら坂木と鳥居を彷彿とさせるものがある。
しかし多田と行天の関係のほうがライト、
というよりも、良くも悪くも「オトナ」なのだろう。

しをんさんの作品、他のも読んでみようかなぁ?? 
しかし作品選びは慎重に行わなければいけないなぁ。
たぶんわたし、しをんさんの文体は基本的には合わないほうだと思うから…。
それでも、他を読みたい、と思う。






台風すごいです。
もうおうちでしっかり引きこもってましょ。
引きこもり推奨!!!

大事にはいたりませんように。
みなさまお気をつけてくださいね。



2014年10月13日| コメント:0トラックバック:0Edit
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