婚活なヒトビト。
著者:岡崎杏里
絵 :フカザワナオコ
出版社:成美文庫
初 版:2009年10月20日
内容(裏表紙より引用):
いろんな出会いがあったんです!
女子:歌舞伎役者ひと筋の先輩/モテ師匠たち/合コンクイーンのリナちゃん/恋愛の達人サクラちゃん/人脈No.1のエミちゃん/クルージングのうさぎ系美人
男子:柔道部員/政府要人のSP/学校の先生/自衛隊員/クリエイター/元スーパーの広告モデル/理系おぼっちゃま軍団/おネエ系レモンさん/タンゴのダンサー
(表表紙の裏より引用): みんな真剣です。決して笑いをとりたいわけではありません!あるときはハイキングで、あるときはホームパーティーで、そしてあるときは焼鳥店で、岡崎杏里が出会った、強烈キャラの濃い「ヒトビト」。合コンで見た驚きの光景や、心がジーンとくる出会いまですべてひっくるめてドタバタ・タッチでお贈りする、笑いいっぱいの婚活ストーリーです。
所感: アメブロで
「ひとこま作者」というブログをされている
大好きなイラストレーターで漫画家のフカザワナオコさんが
イラストを担当されているということで手に取ってみた
ハジメマシテの作家さん。
ついでによくよく考えてみると成美文庫ともハジメマシテかも。
本書は、著者自らの婚活(=結婚活動)体験を
まとめたエッセイ(ところどころでフカザワナオコさんによる漫画付)だ。
合コンに紹介に師匠たちからのアドバイスに…と、
ほんとのほんとのほんとにほぼ実体験らしい。
と、ここまで念押しするには訳がある。
だって、著者の婚活中のエピソードが余りにも面白いんだものっ!!!
まず登場するキャラクター(著者を除く)が個性的。
例えば合コンで出会った柔道部員たちは、
女子との会話そっちのけで飯を喰らいまくる。
しかも内ひとりは減量のため絶食中。
またある時の合コンで出会ったSPは
週に3本のヘアスタイリング剤を使い切る
自慢のオールバックでマシンガントーク。
いやぁ、SPなんて滅多に出会わないのに、
出会ったSPがそんなキャラだなんて…強烈だ。
本書で語られる婚活エピソードは合コンだけでなく、
モテる友人のアドバイスに従って取った
モテルための「自己改革」の様子や、
「もう疲れた」と開き直って自分をさらけ出して
趣味全開のマニアックな歌を歌いまくったカラオケの話。
お見合いパーティーにネットを使っての婚活などなど、
著者の真剣な生涯の伴侶探しが綴られているのだけれど…
そのどれもに笑える要素が詰まっている。
ご本人は言う。
「真剣です。」と。
おそらく、真面目に婚活をされているのだろう。
しかししかし、真面目にされている方に対して
こういうのは失礼かもしれないけれど…
面白すぎるっ!
本書に登場するのは、いや~こんなこと滅多に遭遇しませんよ?
なんでそんな人たちばかりに遭遇しちゃうんですかっ?!
と思わず問いたくなるような「一般的」離れした実体験ばかり。
「すごいなーこの人。なんでこんな面白い現場にばかり遭遇するのだろう??」
と疑問に思ってしまう。
すべてが疑問と爆笑というわけでもなく
共感できる部分もある。
例えば合コンのお話。
初対面の人たちと数時間一緒に過ごす合コンの億劫さ。
(同じ思いをしたことのある方も多いのではないだろうか。)
そういう本音の部分が素直に書かれていて好感が持てる。
残念ながら著者の婚活はまだまだ継続中で、
理想のタイプは内面タモリでメガネ男子、
好きな歌は懐メロだそう。
そんな著者の婚活の様子を今後も遠巻きながら見られたらなぁ、と思う。
だって(他人事だから)、面白すぎるんだもん。
いやいや他人の心配する前に自分の心配しなきゃだな。
岡崎杏里さんブログ:
『続・笑う介護』