#266 高田崇史『QED竹取伝説』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#266 高田崇史『QED竹取伝説』

QED 竹取伝説
高田崇史
出版社:講談社文庫
初 版:2006年03月15日




内容(裏表紙より引用):
「鷹群(たかむら)山の笹姫(ささひめ)様は……滑って転んで裏庭の、竹の林で右目を突いて、橋のたもとに捨てられた」。不吉な手毬唄(てまりうた)が伝わる奥多摩の織部(おりべ)村で、まるで唄をなぞったような猟奇殺人事件が発生。ご存じ桑原崇が事件の謎を解きつつ、「かぐや姫」の正体と『竹取物語』に隠された真実に迫る。大好評シリーズ第6弾!


所感:
「この世の中で、寺社巡りと墓参りほど我々に清々しいきぶんをもたらしてくれるものは、他にないね」(『QED六歌仙の暗号』より)と宣(のたま)う奇人薬剤師タタルこと桑原崇が歴史または伝説上の謎の解明に挑むQED(=証明終わり)シリーズの第6弾。

今回タタルが挑むのは『竹取物語』の謎。

「かぐや姫」といった方が分かる人が多いかもしれない。
子ども向けの絵本では『かぐや姫』となっているものもあったと記憶している。
しかし原作のタイトルは『竹取物語』。
『かぐや姫物語』や『かぐや姫伝説』ではない。

そして本作のテーマは
なぜ『かぐや姫物語』ではなく『竹取物語』なのか、だ。

ストーリー展開としては、前作『式の密室』の続き
行きつけのビア・レストランでの新年会から始まる。

タタルの友人で低級ジャーナリストの小松崎が奈々とタタル相手に
奥多摩に位置する鷹群山の「魔のカーブ」で起こった事故の話を始める。

その「魔のカーブ」ではこれまでにも死亡事故が何度か起こり、
複数の被害者が死の間際に
カーブ付近の竹が群生している場所の「竹が光った」と
言い残しているという。そ
して地元の住民は「笹姫様」という
鷹群山付近に住む神様が怒ったのだ、と語った、と小松崎は報告する。

ここで「竹」、「笹」から連想ゲームのように且つ当然に、
タタルの話は『竹取物語」に向かう。
タタルは言う、『竹取物語』も騙りだと。

この時点でタタルの興味はもちろん現実の事件にはなく、
『竹取物語』と「笹姫様」にあるのは一目了然。

今回も『竹取物語』に隠された謎のついでに
現実の事件を解決することになるのだけれど…
今回も言います、
現実の事件なんてどーでもいいのっ!!! 
動機だかそんなものは多少強引だなぁと思ったって気にしませんっ!!

いつものごとく、現実の事件には「えー、そんなのありー??」
と言いたくなるようなことが幾つか(ひとつではない)あるのだけれど、
そこは大いに目を瞑り
タタルの蘊蓄を堪能するのが本書の正しい堪能の仕方だ(と信じている)。
そういう意味では今回も大満足の蘊蓄盛りだくさん作品だった。

さて本筋とは関係なところで一点。
本シリーズには素敵なカクテルが毎回登場するのだけれど、
今回はなんとタタルのオリジナルカクテル「ワン・フォア・ワン」が登場する。
タタル曰く「とてもキザで嫌らしいカクテルだ。でも、凄く旨い。」

率直に言って本書にこのオリジナルカクテルのくだりは必要ない。
あっても無くてもストーリーの進行には何の影響もない。

しかし、いつもシャンパンベースのカクテルを飲む奈々に
「たまにはウィスキー・ベースのカクテルにしょうかな……」
と言わせてまでこの「ワン・フォア・ワン」は登場する。

思うに、著者はきっと自分が考案したカクテルを
どうしても作品内で発表させたかったのだろうなぁ。

なんてお茶目なひとなんだろうっ!と、
著者に対する印象が格段にアップした。

最後に「笹姫様」の手毬唄の一番だけを以下に引用する。
タタルはこれを一目見てこの唄の意味することが分かったそうなのだけれど、
分かる方、いらっしゃいますか?




笹姫手毬唄

鷹群山の笹姫様は
十と三つでお嫁に行って
夜明け前から竈の支度
赤い紅差して
白い粉塗って
四日三晩で炊きあげる
一息吹くたび お米が炊けて
炊けたお米にゃ 大判小判
ざんざざんざと湧き出した
それをトンビに盗まれて
トンビ追いかけ姫様は
滑って転んで裏庭の
竹の林で右目を突いて
橋のたもとに 捨てられた



2014年10月31日| コメント:0トラックバック:0Edit
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