#269 高田崇史『QED鬼の城伝説』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#269 高田崇史『QED鬼の城伝説』

QED 鬼の城伝説
高田崇史
出版社:講談社文庫
初 版:2008年03月14日




内容(裏表紙より引用):
桃太郎の鬼退治は、曇りなき善行だったのか?岡山・吉備津神社に今も伝わる鳴釜神事では、大和朝廷によって退治された鬼神「温羅」が、釜を唸らせて吉凶を告げるという。一方、桑原崇は、旅の途中、鳴ると凶―主が死ぬという大釜に遭遇。事実、土蔵に長男の生首が。事件の核心“桃太郎伝説”の騙りとは―。


所感:
「この世の中で、寺社巡りと墓参りほど我々に清々しいきぶんをもたらしてくれるものは、他にないね」(『QED六歌仙の暗号』より)と宣(のたま)う奇人薬剤師タタルこと桑原崇が歴史または伝説上の謎の解明に挑むQED(=証明終わり)シリーズの第9弾。


夏休みを合わせて岡山を訪れた奈々、沙織、小松崎。
(タタルは仕事の都合で遅れての合流)
今回の岡山行きのきっかけは、
ジャーナリストである小松崎の元に届いた投書だった。

その送り主は二人の女性。
彼女たちの同級生である妙見明日香の婚約者が、
その家に伝わる「鳴ると主が死ぬ」という
大釜の言い伝えに沿って殺された事件を調べてほしいという。
ジャーナリスト魂に火が点いた小松崎は
タタルたちを誘って岡山を訪れることにした。

本シリーズにおいて、
タタルが登場しないで
奈々によるストーリー進行が登場するのは初めてだけれど、
これはこれで楽しかった。

蘊蓄の満載具合としては
タタルがいるのといないのでは雲泥の差があるが、
その分、奈々たちが訪れる古刹や風景の描写にページが割かれ、
トラベルミステリさながらである。
わたしも奈々と共に神社訪問をしているかの気分になって楽しんだ。

しかし奈々たちの岡山来訪中、
妙見明日香の周りで人死が更に起こり、
小松崎のジャーナリスト魂もあって
奈々たちは事件に巻き込まれることになる。

と、そこでやっとこさ(全体の5分の3ほど読み進めたあたり)タタルの登場だ。
小松崎はこれまでのタタルの功績(?)を信じ、
タタルを事件現場に連れていきたい。
しかし当のタタルは
岡山にはあくまで観光に来ているのだから、
事件などに興味はない。

と、そんなタタルをどうにかこうにか丸めこんで
4人で明日香の元に向かうことになったのだが、
その時にタタルが放った台詞が最高に面白い。
「全く……。きみらほど我が儘な人種も珍しいな。」

いやいやっ!! アナタが言うべき台詞じゃないですからっ!
てか、アナタほど周囲のことを気にせず自分の望みに忠実に動こうとするひと、
滅多にいませんからっ!!

と、思わず突っ込んでしまったのは言うまでもなし。
といっても、これはこのタタルのキャラクターを知らなければ
笑えない台詞ではあるのだけれど。

さて、歴史(または伝説)ネタ観点からいうと、
今回タタルが解明するのは『桃太郎伝説』の謎。
日本一有名な昔話と言っても過言ではない、
「おじいさんは山へ芝刈りに、
おばあさんは川へ洗濯に…」で始まるあの
英雄譚に秘められた謎、だ。

タタルは言う、
桃太郎話では、鬼がどうして悪いのか、具体的に人々に何をしたのか、という説明がスッポリ抜けています。
と。そしてここに「騙り」があると。

フィクションなのでタタル説を鵜呑みにするわけにはもちろんいかないが、
今回の検証もやはり興味深い。
今後、昔話や伝説を聞いた時、
「これはどういうことなのだろう」
「何を騙っているのだろう」
と思わずにはいられないだろう。

さてこれまで、このシリーズを第9弾まで読んできて気になる点がひとつある。
それは、奈々とタタルの恋路。

奈々がタタルに想いを寄せているのは間違いない。
そしてきっとタタルも…。
でも、ここから進まない。
それはもう、小松崎も沙織も苦笑いするしかないほどに…。


2014年11月03日| コメント:0トラックバック:0Edit
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