上高地の切り裂きジャック
著 者:島田荘司
出版社:文春文庫
発行日:2006年11月10日
内容(BOOKデータベースより引用): 女優は腹を切り裂かれ、内臓を抜き取られ、かわりに石を詰め込まれた惨殺死体で発見された。いったいなぜ、何のために?そして密疑者には鉄壁のアリバイが…。“切り裂きジャック”が日本に甦ったかのような猟奇殺人に、名探偵・御手洗潔が挑む表題作ほか、横浜時代の御手洗が活躍する傑作中篇「山手の幽霊」も収録する。
所感: みんな大好き(?!)御手洗シリーズ。
出版社も様々なので第何弾かはわからない。
本書には2篇の中編が収められている。
表題作は御手洗がヨーロッパに言ってからのおはなし。
もう1篇の『山手の幽霊』は御手洗が横浜にいた頃のおはなしである。
『上高地の切り裂きジャック』 上高地で女優・細川みどりの死体が発見された。
遺体には暴行された形跡があり、
さらに異様なことに、下腹部の臓器が切り取られていた。
これはまさに「切り裂きジャック」か?!
警察から協力依頼を受けた石岡は、
ヨーロッパにいる御手洗に連絡をする。
そして、御手洗はいつものごとく石岡との
電話のやりとりのみで鮮やかに事件を解決する。
この天才的かつ超人的な御手洗が
わたしはなんともいえず好きだ。
確かに奇人で変人かもしれないけれど、
やはり恰好いい。
実はわたし、御手洗がヨーロッパに行ってからの方が
好きだったりする。
ただ、「切り裂きジャック」というタイトルの割には
事件の衝撃性はなく、ちょっと拍子抜けかな。
『山手の幽霊』 こちらは横浜時代のおはなしだから、
石岡と御手洗が共に事件を追う。
うーん。
実際に事件を追う御手洗も素敵(笑)。
幽霊の仕組を論理的に解明しているおはなしなのだけれど、
地味に大事(おおごと)で楽しい。
表題作よりも好みかな。
読みにくくはないけれど、すごいとも思えない一冊。
でも御手洗はすごく好きです。
『上高地の切り裂きジャック』収録作品
・上高地の切り裂きジャック
・山手の幽霊