#287 高田崇史『試験に出るパズル 千葉千波の事件日記 四月~八月 』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#287 高田崇史『試験に出るパズル 千葉千波の事件日記 四月~八月 』

試験に出るパズル 千葉千波の事件日記 四月~八月
著者:高田崇史
出版社:講談社文庫
初 版:2004年08月15日




内容(裏表紙より引用):
『QED』の高田崇史があなたに挑戦状!?
眉目秀麗にして頭脳明晰の天才高校生・千葉千波くんが、従兄弟で浪人生の“八丁堀”たちとともに難問、怪事件を鮮やかに解き明かす。たっぷり頭の体操が楽しめる上質の論理パズル短編5本に、「解答集」、森博嗣氏による解説までてんこ盛り! ご存じ『QED』の高田崇史が送る新シリーズ第1弾、待望の文庫化。


所感:
頭脳明晰の天才高校生・千葉千波くんの日常で起こった
事件や千波くんが出題するパズル問題を
「事件日記」として続く本シリーズ。

物語の進行役はもちろん主役の千波くん・・・
ではなくって、
千波くんの従姉弟で浪人生の「僕」だ。

ちなみにこの「僕」の名前は作品内で明かされることはない。
友人からは住んでいる場所にちなんで
「八丁堀」と呼ばれ千波くんからは
「ぴいくん」と呼ばれる「僕」。
彼にとって本名は、
19年の人生において最大の弱点でありコンプレックスなのだ!

この決して明かされない「僕」の名前はシリーズ最大の謎といってもいいだろう。
しかしあとがきによると、けったいなことに、
ノベルズが刊行された時点で「僕」の名前を当ててしまった
不可思議なひとたちが数人いるらしい。

あ、もちろんわたしはぴいくんの本名について思い当たることなどひとつもなく、
「不可思議なひとたち」という衝撃の事実を知って
インターネットで検索してたどり着きました。

しかしこのシリーズ、「本格」が苦手で
「犯人とトリックなんて主人公が見つけてくれるんだからいーのっ!!!」が
モットーのわたしにとってはなかなかの強敵。

謎解きになんて興味がないもんだから、
核ともいえる「論理パズル」はことごとく読み飛ばしてしまった
(巻末に解答が収められているので謎解きがお好きな方は挑戦すると楽しいはず)。

んじゃ、このシリーズはもう止めとく?と聞かれそうだけれど、
その問いに対しての答えはNO。
だって、謎解き以外の部分がゆるくて楽しいんだもの。

たとえば進行役の「僕」の屁理屈。
「今回も模試に失敗した」ということを言いたいがために
「理系の大学入試で、英語はあるけど現代文がない、っていうのはどうも納得がいかないよね。」
の一文から始まる言い訳に作品の冒頭から延々と3ページも費やしてしまう。

千波君が出題する難解で面倒な論理パズルについてはこんなことを言い放つ。
ひらめきで一発で解けるようなやつじゃないんだ。解き方が分かったとしても、そこから、電卓やエクセルや西之園萌絵が必要になっちゃうようなやつなんだ。

西之園萌絵ってー!!!と思わず笑ってしまった(ちなみに本書の解説は森博嗣)。


千波くんが好きな西之園萌絵が必要になっちゃう問題っていうのはこういうの。
赤い帽子が三つ、広い帽子が四つある。これをA,B,C,Dの四人に被せ、残りは隠してしまった。他人のは見えるけれど、自分の帽子は見えない。そして自分の帽子の色が分かるか、順番に尋ねた。すると、
A『分からない』
B『分からない』…(以下省略)



対して「僕」が好きな問題はというと…
問題。百五十六から十九は、何回引くことができるでしょう?

答え。一回だけ。
なぜならば、十九を一回引くと、もう百五十六ではなくなるから。



この緩急がたまらない。


そしてところどころにQEDシリーズの著者の顔が現れるという点もいい。
たとえば「僕」が明智光秀について熱く語り始めたところから始まった独白の一節
天狗や河童は本当に存在していたのかも知れないし、鬼や妖狐や土蜘蛛だって山野を闊歩していたかも知れないだろう。なんてったって「いた」という証拠らしき物は、山ほどあるんだからね。それをこっちで勝手に「いるわけないよ」と否定してるだけだ。しかもなんで否定できるかって言えば「自分の目で一度も見たことがないから」ってわけだ。最悪の証明方法だよね。こういう人たちには「きみのおじいさんには、おじいさんがいたの?」って聞いてあげればいい。「見たことがないんじゃなあ。証明にはならないねえ」なんてね。

本シリーズの本質である謎解きは苦手だけれど、
このシリーズも読破してゆくことに決定!




『試験に出るパズル』収録作品
・<四月>9番ボールをコーナーへ
・<五月>My Fair Rainy DAY
・<六月>クリスマスは特別日
・<七月>誰かがカレーを焦がした
・<八月>夏休み、または避暑地の怪
・<追伸簿>

2014年11月22日| コメント:0トラックバック:0Edit
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