#300 東野圭吾『赤い指』|読書NOTE~読んだ本の感想・レビュー~

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#300 東野圭吾『赤い指』

赤い指
著者:東野圭吾
出版社:講談社文庫
初 版:2009年08月12日



内容(裏表紙より引用):
少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。


所 感:
しっかしまぁ…なんとも胸くその悪くなる内容だな。
(お下品な表現、失礼!)

これは決して、駄作だと言っているのではない。
一気読みするほどぐいぐい引き込まれるストーリーだし、
社会問題を取り入れた社会派ミステリと言ってもいいかもしれない。

わたしが「胸くそ悪い」と言ったのは作品に登場するある家族について。

ある日、その家族の庭で
小学校低学年くらいの女の子の遺体が放置されていた。
第一発見者は母。
彼女がそこでまずとった行動は
その遺体が人目につかぬよう、ビニルで覆うこと。
そして夫に連絡。

急いで帰宅した夫は息子の犯行だと悟る。
息子を問いつめようとするも妻に
「あの子は傷ついているの、動転しているの」と止められれば、
それ以上の行動を取れない。

妻は妻で、いつも息子のご機嫌ばかり伺って、
作るメニューはいつも決まって息子の好きなハンバーグのみ。

同居している姑には姑が認知症を患ったことをいいことに、
無関心で一切の関与を拒む。
夫は夫で、そんな妻を嗜めようともせず、
いつも現実から目をそむけてばかり。

そんな二人の間に育った息子は
人とのコミュニケーションが上手くとれず、
うまく行かないのは親のせいだと言い放つ。
なんて嫌な家族なんだろう。

そんな家族の元に突然舞い降りた女児の遺体。
両親は「息子の将来を守るため」だと言って、
その遺体を遺棄することを決める。

それだけでも十分腹立たしいのだが、
聞き込みにきた刑事も適当にあしらうが
プロの目がごまかせないと悟ると、
夫婦はもっと恐ろしい計画を実行に移してしまう。

ここでいう「恐ろしさ」とは、
人が決して超えてはならぬ一線を超える恐ろしさ、だ。

詳しく書くとネタばれになるのでこれ以上かかないが、
勘のいいひとならこれだけの情報ですぐにぴんとくるだろう。
実際わたしはある一文を読んで、ぴんときた。
その「ぴん」が確信に変わるのは随分後になってからのことだけれど。

事件を担当するのは我らがヒーロー(?)加賀刑事。
今回は従弟・松宮とコンビを組む。

実は加賀の父がちょうど癌の末期で入院中で、
加賀自身は一度も見舞いに行っていない。
松宮はそのことが腹立たしく、
また、加賀の言動がいちいち癇に障るらしく、
たまに「ちっちゃい男」的な言動をとる。

しかし加賀は一向に意に介さない。
加賀が死期の迫った父を見舞わなかった理由は
ラストで明かされるのだが、
その理由がなんとも、加賀親子らしい。
松宮のわだかまりも一気に氷解する。

松宮は加賀とコンビを組むことで、
刑事・加賀の優しさ、強さ、観察力、洞察力、推理力などを
身を持って体感する。

そして、犯人のおおよその目星がついた中での加賀の言葉
「この家には、隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手によってあかされなければならない。」
の意味するところを知り、松永は刑事としてひとつ成長する。

最終的にはラストで読者の心は多少救われるのだけれど、
やはり「胸くそ悪い」と思ってしまう。
そしてそれと同時に、「こういう風にはならないぞ!」と心の中で決意する。

加賀刑事シリーズは
こういった人間のエゴイスティックな面を全面に出してくるから
いらいらすることも多いけれど、
考えさせられることも同じくらい多い。
大好きなシリーズだ。






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2014年12月05日| コメント:0トラックバック:0Edit
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